仮想通貨市場に影を落とすマネーロンダリング(マネロン)規制の強化

初心者を狙う罠

2020年9月に中米エルサルバドルがビットコインを法定通貨に指定したのに続き、2022年に入って、中央アフリカ共和国がビットコインを法定通貨に採用すると発表しました。

ロシアによるウクライナ侵攻において、戦時下のウクライナに仮想通貨による多額の寄付が集まったというニュースのほか、2021年のアフリカ大陸における仮想通貨の取引が、前年対比(250%)に膨れ上がり、話題になるなど、仮想通貨の存在感はますます大きくなっているように思います。このように、注目を集める仮想通貨やビットコインですが、その行き先には暗雲が迫っています。それは仮想通貨によるマネーロンダリング規制(以下マネロン規制)の強化です。


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FATFとマネロン規制

FATF(金融活動作業部会)の取り組み

近年、マネーロンダリング(マネロン)やテロ資金供与がグローバル化し、国際連携の重要性が一層高まっています。こうしたなか、37か国と2地域機関が加盟する多国間の枠組み「FATF(金融活動作業部会)」は、マネロン、テロや金融・大量破壊兵器拡散の根源である資金供与への対策をすすめています。

FATFは各国当局が金融機関や法人の実質的支配者を把握し、その悪用を防止することを求めています。加入各国はその実施に取り組んでいるのですが、依然として金融機関や法人がマネロンやテロ等に悪用される事例が絶えないという実情があります。

FATF基準の制定

2012年2月に、FATFの総会で「マネーロンダリング及びテロ資金供与と拡散の資金供与に対抗するための国際基準」(FATF基準)が定められました。これを受けて日本政府は、「犯罪収益移転防止法」により、金融機関等に対して顧客との取引時に実質的支配者情報を確認することが義務付けられています。

トラベルルールとは

トラベルルール」とは、FATFが、マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策に関する国際基準(FATF基準)において、各国の規制当局に対して以下のような規制導入を求めているものです。

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利用者が仮想通貨を出金する場合には、送付の依頼を受けた交換業者は、送付依頼人と受取人に関する情報を、送付先となる交換業者に通知しなければならない。

日本国内では金融庁の要請により、「JVCEA(一般社団法人日本暗号資産取引業協会)」が定める自主規制規則によって、2022年4月1日から運用がスタートしていますが、準備時間不足などから、トラベルルール対応のために、どの業者も対応に困惑、苦慮しています。

マネロン規制と仮想通貨取引

当初、仮想通貨は「海外にも数秒で送金でき、手数料も圧倒的に安い」という触れ込みでした。それが、現在ではハッキング対策に伴う「ウォレット管理」により、金額が大きい場合は送金に数時間から数日かかるようになったほか、取引の増加によるコスト増加で、手数料も銀行の手数料より割高となっています。

このような状況下で、もうひとつ「トラベルルール」が加わることで、仮想通貨の送金事情の利便性がさらに損なわれることとなり、業界は戦々恐々としています。

日本国内の規制管理の限界

予想される規制強化による現場の混乱

事業者の顧客対応が滞って送金遅延が多く発生した場合、事業者は顧客対応だけではなく、当局対応にも神経質な対応が求められることとなるかもしれません。規制が強化されることが予想されることから、取引現場の混乱とともに、仮想通貨の決済レスポンスの優位性が下がっていく懸念もあります。

事業者においては、顧客の必要事項に関する誤記載対応に追われることが想像され、送金遅延などに対するクレームも増えることが予想されます。そして当局側も大きな課題を抱えています。

JVCEAによる事業者管理の実態

現在、日本国内の事業者は法令ではなく、JVCEAが推奨する自主規制ルールに則って管理をおこなっています。この先2023年4月には、「犯罪収益移転防止法」の改正がおこなわれ、規制が法令として正式運用される見通しですが、これ以降も、トラベルルールの運用や事業者管理をJVCEAがおこなうことになると考えられています。

しかし、JVCEAは現在、新規の仮想通貨申請が大幅に遅延するトラブルを抱えるなど、事業者の管理能力について適性があるかどうかを疑問視する専門家もいます。

正念場にある仮想通貨規制

FATFの要請に応じない一部の国や事業者が存在する以上、せっかくのFATF基準やトラベルルールの導入も不充分なものに留まる可能性が高いでしょう。実際に現在、ロシアでは金融制裁逃れを目的に、ビットコインなどの仮想通貨による対外決済をおこなっているという実態があります。

また、ユーザーが正規の仮想通貨交換所を使う限り、資産の流れが筒抜けとなることから、悪意のあるトレーダーやテロリストなどは非正規の業者に流れることになるでしょう。その一方で、仮想通貨の優位性である決済スピードを失うことになるのであれば、投資家とすれば非常に残念なことです。


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