テクニカル分析は、過去の値動きを記録したチャートをもとにトレンドや相場の勢い、転換点などを判断して売買タイミングを見極める手法です。テクニカル分析にはさまざまな種類があり、組み合わせて使うこともできるため、その種類は無数にあるといえます。
FX初心者にとっては、それぞれのテクニカル分析の理解が難しいうえ、数あるテクニカル分析からどれを選ぶべきか、悩んでしまうと思います。今回はそんな初心者の悩みに答えます。
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テクニカル分析の基礎
「絶対的に正しいテクニカル分析」は存在しない
結論からいえば、「どのテクニカル分析が正しいのか」という問いには答えがありません。テクニカル分析を学習する前に、まずはこの点を確認しておきましょう。
投資スタイルは千差万別なので、トレーダーは誰しも、それぞれの考え方に近い分析方法を探し、実際に運用して有効性を確認するプロセスが必要です。また、時代とともに、また相場の変化とともに、それまで通用していた分析法が陳腐化することもあります。
際限のないトライ&エラーの繰り返しは永遠の修行のようにも感じられますが、これがFXの難しさであり、魅力でもあります。
テクニカル分析の類型
基礎知識としてテクニカル分析には以下の3つの類型があることを理解しましょう。
・順張り型と逆張り型 ・トレンド系 ・オシレーター系
順張り型と逆張り型
「順張り」はトレンドの流れに沿って利益を出す方法で、「逆張り」はトレンドの流れに逆らって利益を出す方法です。一般的に順張りはトレンドが読みやすく、逆張りはエントリーのタイミングが難しいといわれており、初心者におススメなのは順張りです。
トレンド系
「トレンド系」は、相場の流れ(トレンド)を掴むための分析手法です。上下するチャートの安値同士、または高値同士を結ぶ線を引き、右肩上がりなら「上昇トレンド」、右肩下がりなら「下降トレンド」、水平なら「レンジ相場」と判断します。
具体的なチャート分析法として「平行移動線」や「MACD」などが知られています。おもに順張りのトレードにおけるエントリーの指標として活用されています。
オシレーター系
「オシレーター系」は、相場の過熱感(売られすぎ又は買われすぎ)を掴むための分析手法です。相場の底値や天井値からの反転のタイミングを見極め、逆張りでトレードするときに活用されます。具体的なチャート分析法として「RSI」や「ストキャスティクス」などが知られています。
①過去3か月間の底値(最低値)と高値(最高値)の位置を確認する ②この先、底値まで下がったら売られすぎと判断して「買い」注文 ②この先、天井値まで上がったら買われすぎと判断して「売り」注文
初心者トレーダーにおススメのテクニカル分析
基本的に初心者にはトレンド系のテクニカル分析を使った順張りトレードがわかりやすいと思います。そこで、以下の2つのシンプルな分析法がおススメです。実際にこれらの分析法を採用している投資家は多く、多くの人が注目していることにより、分析から導き出される現象の実現性が高まると考えられるからです。
トレンドライン(レジサポライン)
「レジスタンスライン」「サポートライン」を総称して「トレンドライン」といい、テクニカルの基本ともいえる定番分析です。トレンドラインはレンジ相場(一定の範囲で上下を繰り返す)からトレンド相場(上下いずれか一方向への動き)への変化のタイミングを計る基準として活用します。
・サポートラインに到達⇒レンジ相場から下降トレンドに移行 ・レジスタンスラインに到達⇒レンジ相場から上昇トレンドに移行」
平行移動線
「平行移動線」は、一定期間における終値の平均値の変化をチャート上に表したグラフです。相場のトレンド(上昇もしくは下落傾向)を把握することができ、トレンドの勢いを視覚的に確認することが可能です。
注目すべき重要なポイントは移動平均線の角度です。移動平均線の角度が急であればあるほど勢いが強く、トレンドが継続する可能性が高いことを示唆します。
平行移動線の期間設定はローソク足の本数で設定します。設定期間を「5」にした場合、以下のような設定になります。
・日足チャート⇒(5日) ・週足チャート⇒(5週) ・1時間足チャート⇒(5時間) ・5分足チャート⇒(25分)
期間の異なる移動平均線を複数組合せて使用することによって、それらの位置関係からトレンドの変化を掴み、売買シグナルとして活用できます。
ただしテクニカル分析は万能ではない
冒頭でもお伝えしたように、FXのテクニカル分析は万能ではありません。大切なことは、予想が外れたトレードにおける損切りの決断と、ひとつの分析方法にこだわらない姿勢です。
売買シグナルが消えたら迷わず決済する
テクニカル分析の根拠となる売買シグナルが消えたら、ムリをせずに決済(利益確定もしくは損切り)しましょう。売買シグナルが消えたということは、現在のテクニカル分析では、この先の相場予測ができないということです。動きが読めなくなった相場からは早急に撤退しなければなりません。
ひとつの方法にこだわらない
採用したテクニカル分析で成績が振るわなくなってきたら、視点を変えてみることも重要です。ただし、複数のテクニカル分析を「あれもこれも」と手当たり次第に試すことはおススメできません。初心者は「トレンドライン」と「平行移動線」との組み合わせで充分です。
テクニカル分析選びは非常に難しい課題ですが、猫道場主の選択の基準は「シンプルかつその分析法のロジックに共感できるもの」を採用するというものです。難解な分析法を使いこなすのはハードルが高いし、なにより自分自身が共感できる分析法であれば、たとえ好結果が出なくても納得できるのではないかと思うのです。
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