日本の未熟なトレーダーを揶揄した「ミセス・ワタナベ」とは誰のことか

初心者を狙う罠

日本国内の個人FX投資家は100万人前後いるといわれていて、FXの世界市場に日本人トレーダーが占める割合は50%以上といわれています。もちろん金額ベースでは大口投資家には及びませんが、それでも為替市場への影響は小さくありません。海外の大口投資家は個人投資家の資金を虎視眈々と狙っており、その動きには充分注意しなければなりません。


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ミセス・ワタナベとはなにか

FX業界には「ミセス・ワタナベ」という言葉があります。この言葉が登場したのは2007年ごろのことです。東京時間の午前から午後にかけて、相場を動かす大きなニュースや特別な要因がないにもかかわらず、ドルが値動きする奇妙な現象がしばしば見られました。その原因を探っていったところ、日本の主婦やサラリーマンなどの個人投資家が、昼休みを利用して一斉にトレードしていたことが判明したのです。

イギリスの経済誌がこのような日本人投資家に「ミセス・ワタナベ」というあだ名をつけました。これはアマチュア投資家を揶揄した言葉で、相場を動かすほどの大きな資金力を持つ日本の個人投資家の存在が世界に知れ渡ったのです。

ミセス・ワタナベの特徴

ミセス・ワタナベのトレードには、以下のような特徴があります。

・東京時間とニューヨーク時間の取引が多い
・おもに円との通貨ペア
・スワップ狙いのトレードを好む
・順張りではなく逆張りを好む
・根拠に乏しい「値ごろ感」のトレードが多い
・未熟なトレードスキル

なぜミセス・ワタナベは「逆張り」するのか

ミセス・ワタナベのトレード傾向のひとつが「逆張り」です。FXで儲ける原則は「安く買って高く売る」ことですが、現在の価格が高いか安いかを判断する方法に、将来の相場予測に基づく「予測型」と、過去実績と比べる「評価型」の2つがあります。

予想型は予想型は日々の情報収集や相場分析などの手間や能力を必要とするため、ミセス・ワタナベに代表される個人投資家は、先行きがわからなくても手っ取り早く過去実績から売買判断できる評価型を選びます。相場が下落したら「安い」と判断して購入し、上昇したら「高い」と判断して売却する「逆張り」を選択する傾向があるのです。

危険な「値ごろ感」

ミセス・ワタナベのトレードは、「現在価格よりもいくら下がったら買う」「いくら上がったら売る」という逆張りが基本です。そこには確かな根拠はなく、「動いた相場は元値に戻る」という「値ごろ感」の考え方が根底にあります。

動いた為替が最終的に戻る可能性が高いのは事実です。しかし、元値に戻るまでにかかる時間や、そのプロセスが省略されていることが問題です。元値に戻る期間は1日もしれないし、1年かもしれません。その間に反転せずにレートがどんどん下降していくこともあり得るわけです。

ミセス・ワタナベの負けパターン

たとえば(ドル=100円~110円)の範囲で上下動を繰り返す「レンジ相場」の場合、ミセス・ワタナベは下限の(100円)で買って上限の(110円)で売れば何度でも儲かると考え、ドルが(100円)に近づくと機械的にドルを買い続けます。

しかし永遠にレンジ相場が続くわけはなく、いずれトレンド相場に移行した瞬間から含み損を抱えることになり、最終的にそれまでの利益を吐き出す結果となります。

未熟なトレーダーが狙われるのは当然

隙だらけのミセス・ワタナベをプロ投機筋が見逃すはずがありません。ストップ狩りを仕掛けるヘッジファンドに、かれらはまんまと騙されてしまいます。

海外の大口投資家によるストップ狩り

ストップ狩りとは「意図的にレートを動かしてストップロス注文(損切り)を約定させる」戦術です。ミセス・ワタナベに対するストップ狩りが容易におこなわれるのは、かれらのトレードが「買い注文」中心であり、損切りラインがキリのいい価格に設定されているからです。

ストップ狩りがおこなわれる状況

現在のレートが(ドル=110円)の場合、おそらくミセス・ワタナベは(ドル=100円)の損切りラインを設定しています。ここから徐々に円高が進んで(ドル=105円)前後に到達すると、ヘッジファンドはドルを大量にカラ売りして力技でドルを下げます。

ファンドの売り浴びせによって(ドル=100円)にタッチした瞬間に一斉にミセス・ワタナベの損切りが発動し、ドルはさらに下がります。ヘッジファンドは、ミセス・ワタナベの損切りで大幅に値下がりしたところで利確し、さらにドテンで買い戻せば、労せず一気に巨大な利益を手中に納めることができるというわけです。

注意すべきシチュエーション

流動性の低い通貨

ストップ狩りは、取引の参加人数が多いと成立しないので、流動性が低い通貨(南アフリカランドやトルコリラなど)と円のペアが狙われやすいでしょう。

流動性の低い時間帯

ヘッジファンドといえども、市場参加者が多い局面で価格を操作できる資金はありません。したがって、ストップ狩りの主戦場は市場参加者が少ない時間帯です。

日本時間の6時はニューヨーク市場が終了する時間なので要注意です。欧米の投資家の取引が少なく、ほとんどミセス・ワタナベだけが市場に参加しています。早朝は寝ている人も多く、急な下落に対応できないケースがほとんどです。

損切りが入りやすい価格帯

ストップ狩りに注意しなければならないのはキリのいい数字です。「区切りのいい数字」「一番近い高値」「一番近い安値」付近の損切り設定はストップ狩りに狙われやすいポイントになるのです。

ストップ狩りにあわないために

ミセス・ワタナベは海外のヘッジファンドにカモにされやすく、今後もストップロスを狙ったワタナベ狩りはなくならないでしょう。ヘッジファンドよりも圧倒的に情報量が少ないアマチュアがストップ狩りに対抗するには限界がありますが、ここで紹介したストップ狩りの手口を意識しつつ、実力以上の大きなトレードをしないことを心がけて被害を最小限に留めることが肝心です。


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FXトレードは知識や経験の差によって、結果に大きな差がでます。 多くの人が1年以内にトレードから撤退していますが、その原因の多くはやはり知識や経験の少なさによるものです。 FXはボードゲーム(将棋やチェスなど)に例えられることがあります。 どんなゲームでも基本が身についていなければ、相手に勝つことはできません。 孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。 戦いに勝つためには、まず相手のことを知らなければならないという意味です。 FXにおいて、みなさんが戦う相手は、「市場(しじょう)」という大きな敵です。 市場と戦うための知識の入り口として、ぜひこのサイトを役立てていただきたいのです。 そして、経験についてはトレードを積み重ねることによってしか得られません。 みなさんにはご自分の資力の範囲で、無理のないトレードを開始していただきたいと思います。 「はじめに」でも触れましたが、FXトレードは奥が深いものです。 将来の勝ち組を目指して、また、その過程で経験するであろうFXの怖さやワクワク感をぜひ堪能してほしいと思います。 どんなゲームにもビギナーズラックがありますが、そのような幸運は長くは続かないことを知り、くれぐれも丁半博打のような無謀なトレードをしないように気をつけてください。

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