FXで勝ち残るためには、勝ち負けを繰り返しながら、最終的にプラスを残すという戦略が必要です。しかし、勝てる局面では勝てるのに、結局トータルでは資金を減らしてしまうパターンの初心者も多いと思います。そのひとつの理由が、トレンド局面でもレンジ局面でも同じことをやっているからです。
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勝てない人は勝った理由を確認していない
初心者のトレードで、せっかくトレンド相場で稼いでも、レンジ相場で利益を吐き出してしまうパターンが多いのは、トレンドからレンジに転換するタイミングがわからないからです。
初心者やなかなか勝てない人でも、瞬間的に勝てる局面は出現します。ここで重要なことは、「なぜ急に調子がよくなったのか」について、理由を突き詰める必要があるということです。ほとんど理解が進んでいない状況で勝っているということは、理由がわからずに負ける可能性も高いことになります。
環境認識の重要性
「勝った理由」を確認するための重要な指標が「環境認識」です。実際にどういうことなのか、解説していきます。
環境認識とはなにか
環境認識とは、現在の相場状況を把握するための分析テクニックです。FXにおける環境認識とは、現在の相場の状況を把握することです。未来の相場を予測するために、現在の相場を把握する環境認識はいらないという意見もありますが、現在の状況が把握できなければ、未来の相場の予測も難しいという考え方から、猫道場としても、環境認識は重要であると考えています。
相場全体を眺め、現在の相場のトレンドの方向性を判断していくためのテクニカル手法が、いくつも開発されています。たとえば、RSIという分析手法では、「RSIが70以上」であれば、そろそろ上昇トレンドは終了して下落するだろうという判断が可能です。
「木を見て山を見ず」に陥るな
初心者トレーダーは、トレンドを見誤ることが実に多いです。大きな理由のひとつは、時間足によって視点が異なることを理解していない点にあります。短時間の尺でみれば上昇トレンドのように見えても、長時間の尺は下落に向かっているケースは頻繁にあります。つまり、トレンドを見誤るとは、相場を観察する目が近視眼的になり、「木を見て山を見ず」の状態に陥っている現象なわけです。
ブレイクアウトを狙え
それでは、どのように相場を監視すればいいのでしょうか。一般論としては、たとえば5分足と2時間足の組合せなど、短時間足と中長期足を並べて観察する方法が有力です。しかし、初心者トレーダーの場合は、もう少しシンプルに考えてもいいと思います。それは、時間足の分析に関係なく、レンジ相場からトレンド相場への転換のタイミングを狙って一点突破する「ブレイクアウト戦術」に徹底することです。具体的な手法を解説します。
ポイントは水平ラインへのタッチの回数
レンジ相場では価格が一定の幅を上下しています。この一定の幅を抜け出すタイミングがブレイクアウトという現象です。レンジから上下どちらの方向にブレイクするかを知ることが最大のポイントになるわけですが、有力な解決法として、ボックスの形によってブレイクする方向を予測するテクニックがあります。注目すべきは、レンジ相場における水平ラインのタッチ回数です。
・レジスタンスライン(天井)へのタッチ回数が多ければ、上方向にブレイクする ・サポートライン(底値)へのタッチ回数が多ければ、下にブレイクする
あくまでもこれは経験則なので、かならずその方向にブレイクするとは限りませんが、かなり信頼性の高い判断方法であるとされています。
ブレイク時に順張りエントリー
レンジ相場をブレイクしたら、順張りでエントリーしていきます。レジスタンスライン(天井)を上にブレイクしたら買いエントリー、サポートライン(底値)をブレイクした場合は売りエントリーです。
レンジ相場の期間が長い(=ラインへのタッチの回数が多い)と、ブレイクした時のトレンドが強くなる傾向があります。ブレイクしたらむやみにエントリーするのではなく、大きな値幅を取るためには、レンジの期間が長い場面を狙っていきましょう。
ダマシに注意
注意しておきたいのが、レンジ相場のブレイクを狙った「ダマシ」です。ダマシとは、ファンドや大規模ブローカーが、ブレイクアウトを人為的につくって一般投資家の参入を誘導し、一気に売り浴びせて利益を掠めとる手法です。
トレンドラインを一度ブレイクすると、レジスタンスラインはサポートラインに、サポートラインはレジスタンスラインに戻ってきます。したがって、ブレイクの瞬間に飛び込むのではなく、再度ライン付近まで戻ってきたタイミングでエントリーすることで、ブレイク時のダマシを避けることができます。
ブレイクアウト戦術の限界
勝負できる機会が少ない
ブレイクアウト戦術は非常にシンプルで、勝てる可能性の高い戦法です。しかし、この方法には限界があります。勝負する場面が少ないということです。
一般的にレンジ相場は、代表的な通貨ペアである(ドル/円)の場合、相場全体の70%以上といわれています。そのなかでも、大きな利益が狙えるトレンド期間が長い局面は、ほんのわずかです。もちろん、やみくもに仕掛けるのは得策ではなく、勝てる可能性が高い局面で勝負するのがトレードの基本ですが、勝負する機会が少なく、待機する忍耐力を求められるのは、トレーダーにとってかなりのストレスです。
スキルアップするしかない
したがって、環境認識の精度を上げ、ブレイクアウト以外の局面でも勝負できるようにスキルアップを目指すのが本来の目指す姿だと思います。よりレベルの高い環境認識を学んで、初心者から強いトレーダーに成長していきたいものです。
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