2022年の円相場の振り返りと猫道場主による2023年の予測

テクニカル編

2022年は激動の時代でした。コロナ禍はなおも継続し、ウクライナ戦争が勃発して物流やエネルギー価格に多大な影響を及ぼしました。世界経済全体が停滞するなか、FRBは強力な金融引き締め政策を推進し、為替相場はドル高一極の状況から歴史的な円安ドル高に向かいました。しかし、その後は日銀の通貨介入やゼロ金利政策の転換などもあり、円相場が急反発するなど、ジェットコースターのような値動きとなりました。

今回は2022年度の激動の円相場の動向を振り返り、2023年の長期予想をしてみたいと思います。


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2022年の円相場を振り返る

円安進行で市場参加者が増加

2022年3月以降、日本ではFX取引が急激に増加しました。年初から円安が進行したことが最大の原因ですが、コロナ禍の影響により、サラリーマンの在宅勤務が増えたことが理由のひとつであるといわれています。

円相場は7月中旬までに(ドル=139円)台まで下がり、年初との比較で約25円も円安がすすんだ結果、FX市場への新規参入者の多くも、その恩恵を受けました。さらに、この円安の流れに乗ろうとして新規参入が拡大したことから、6月の店頭取引額は過去最大を更新しました。

円相場は急激に反転する

8月の円相場の反転

円相場は夏場に急展開を迎えます。8月初旬には、一時(ドル=130円)台まで円高に振れました。円安を見込んでドル買いをしていた投資家が「悲鳴を上げている」というニュースを新聞各紙が報じたのもこの頃です。

「8月の円高」とは

元来、毎年8月は円高に振れやすいとされています。その原因として、アメリカ国債の利払いが8月であることが指摘されています。日本の投資家が多くの米国債を保有しており、その利子が8月に支払われるため、利子として受け取ったドルを売って円を買うことで円高になりやすいというのです。これを「8月の円高アノマリー」といいます。

円相場反発の理由ははっきりしない

「アノマリー」という以上、「8月の円高」の科学的根拠は希薄なのですが、市場価格への影響がまったくないとは断定できません。アノマリーを根拠としてトレードをする投資家が一定数存在するからです。

そのほか、詳しく原因を解説した資料は見つけられなかったのですが、実際のところは、アメリカのインフレもそろそろピークを迎えるとの予想から、多くの投資家がドル売り円買いに向かったと考えるのが自然なところでしょう。

円安トレンドはピークを越えた

こうした利上げ幅縮小への期待が金融市場で強まったことが、夏以降の円安トレンドを転換させる要因になったのではないかと考えます。歴史的な円安進行も最終局面に入りました。振り返ってみれば、このとき円安はピークを越えたのです。

日銀の通貨介入

秋口以降の円相場は小康状態を保ったようにも見えましたが、10月下旬に日銀が断行した6兆円を超える外貨準備の取り崩しが、円高を後押しすることになりました。

もっともこの時点では、日銀の介入は一過性のもので、FRBの利上げが継続されるとの予測から、円高傾向は一時的な現象に過ぎないという見方が有力だったように思います。

FRBの利上げ幅が下方修正される

11月上旬に発表された米国CPI(消費者物価指数)が事前予想よりも下振れしたことから、インフレ傾向が弱まったとして、米国市場の(ドル/円)レートは(ドル=146円~140円前半)へと、6円近く円安修正が進みました。

これほど急激な円高ドル安は2008年の「リーマン・ショック」以来のことです。歴史的にみてもまれな円高ショックが、金融危機でもないのに発生したことになります。このタイミングで爆死したドル買いトレーダーも多かったことでしょう。

ついに日銀が方針転換に舵を切る

日銀は大規模な金融緩和策の方針転換を決断しました。といっても、すぐに金融政策自体が大きく修正されたわけではありません。短期金利は引き続き(マイナス0.1%)の金利を適用し、長期金利は「プラスマイナス0.25%程度」の変動幅で調節するとしていたところ、「プラスマイナス0.5%程度」に変更するという、猶予幅をもたせた内容でした。

しかし外国為替市場では、日銀の金利上昇の許容を事実上の金融引き締めへの転換と受け止められ、円高ドル安が一気に加速しました。円相場は(ドル=132円)台前半となり、日銀の発表前と比べて(5円)も値上がりしたのです。

FRBは金融緩和に転換しつつあるか

オーバーキルのリスクが顕在化する

ここまで、2022年の円相場の動向を振り返ってきました。円相場変動の最大の要因がFRBの金利政策であることは納得できるところです。しかし、ここにきて金融引き締めを推進してきたFRBにも徐々に方針転換の兆候が現われつつあります。

2022年末時点でも、FRBは物価高騰に対する警戒感を大きく緩めていませんが、これまでの大幅利上げの積み重ねによる「オーバーキル(過剰な金融引き締めの意味)」に対する反動リスクが増大しているからです。

2023年前半にはアメリカの利上げが終了すると思う

FRBはハードランディングを避けるために、徐々に金融緩和に舵を切るという予測が有力になっています。問題はどこで利上げがストップするかですが、FRBは利上げの幅を徐々に小さくして、2023年度前半には利上げがストップすると猫道場主は予測します。

2023年の円相場はどうなる

世界経済が大きく減速し、株価下落など金融市場が不安定化すれば、円が買われやすくなります。これにアメリカ長期金利上げのストップが重なれば、相乗効果となって急速な円の巻き戻しが生じる可能性が高まります。「年明けも円高はさらにすすむ」。これが、猫道場主が予想する2023年の円相場のトレンドです。現実に、すでに株安の兆候は現れており、円高トレンドの舞台は揃っています。今後は金利差狙いのドルの長期保有は危険かもしれません。


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FX超初心者専科 猫道場 道場主H

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FXトレードは知識や経験の差によって、結果に大きな差がでます。 多くの人が1年以内にトレードから撤退していますが、その原因の多くはやはり知識や経験の少なさによるものです。 FXはボードゲーム(将棋やチェスなど)に例えられることがあります。 どんなゲームでも基本が身についていなければ、相手に勝つことはできません。 孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。 戦いに勝つためには、まず相手のことを知らなければならないという意味です。 FXにおいて、みなさんが戦う相手は、「市場(しじょう)」という大きな敵です。 市場と戦うための知識の入り口として、ぜひこのサイトを役立てていただきたいのです。 そして、経験についてはトレードを積み重ねることによってしか得られません。 みなさんにはご自分の資力の範囲で、無理のないトレードを開始していただきたいと思います。 「はじめに」でも触れましたが、FXトレードは奥が深いものです。 将来の勝ち組を目指して、また、その過程で経験するであろうFXの怖さやワクワク感をぜひ堪能してほしいと思います。 どんなゲームにもビギナーズラックがありますが、そのような幸運は長くは続かないことを知り、くれぐれも丁半博打のような無謀なトレードをしないように気をつけてください。

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